昨日は調子に乗りました。
でも、お陰で作業は終わりました〜!!
「頑張ったわ〜私」
誰も誉めてくれないから、自分に言って慰めました(笑)。
浅はかな私です。。
さて、金曜日にある取材を受けました。
実は、TV放映後 私への取材の申し込みが来るようになりまして。。
私はそんなつもりもないし、今まで10年(実際にパン職人の店長と結婚して20年)パン屋の嫁としての「務め」だと思って来ただけだったので、私の存在=役割をそんな公表するものでもないと思ってましたから(あくまでも黒子ですから〜)。
でも興味深かったようなのです。
「私ブスなんで」ってTVは断りましたが、まー半分本心としても、パン屋の裏事情など一般の方の興味を満足させるほどでは無いと思います。
けれどもこれが同じ業界であるとなれば、少し話しは違って来る様です。
私にもパン業界へは色々考えるところがありますから、今回この業界の専門誌の取材を受ける事にしました。
ちょっとそんな話しを、長くなりますがしてみます。
(ご興味のある方向けでーす)
多くのパン屋の取材をし長年この業界の動きを見て来た記者さんは、最近 元気なパン屋には「いい嫁がいる」と気がついたと言いました。またどんなにいいパン職人であっても、店の運営が上手く出来ないとか、それこそ夫婦関係が悪くなって離婚を機になんと店まで崩壊してしまったなんて事が多く見られ、パン職人やパンそのものに注目して来た今まででしたが、パン屋の裏側が怪しいと思い出したと言うのです。
そんな折のZOPFのTV放映で、元気なZOPFの実態と私を見て、まさに「これだ!」っと核心を突いたんだとか。。。。
なんと短絡的な、、、申し訳ないですが、ちょっとそう思ってしまいました。。。
だってパン屋の現場に立てば、たぶんほんの数日でその大変さを痛感し、円滑に店を回していくマネージャー的存在が必要不可欠であると悟るのだと思うのですよ。ところがそれに気がつかないパン屋が多いのだとか。。
それにそれってパン屋だけに限った話しじゃ〜ないと思いますよね?
家庭だって会社だってそう。少ない人数でも社会が出来れば、リーダー役や調整役って居ますよね。ムードメーカーだけって役回りの人も居ますけれど(笑)。
そんなこんなが集まって、上手く回るからこそ、仕事が上手く行く=商売が上手く行くって図式ですよ、どこでも分かった話しのように思いますからね。
パンの国ヨーロッパなどですと、パン店には必ずマダムって呼ばれる立ち位置の人が居て(パン職人の店主の奥さんである事が多いようですが)パン屋を切り盛りしているそうです。ですからしっかり立場も確立されているようで、どこのマダムもその店の顔として、大いにその手腕を振るうそうです。
ところが日本のパン屋には、マダムって存在は無くって、それに相当する役職もありません。偉そうに振る舞う奥さんもまた居なかったと言う事でもあるでしょう。日本のパン職人は威張って居ますものね(笑)。
一時「パンコーディネーター」が誕生した時に私は多いにその存在に期待を寄せましたが、全く役割が違ってしまいました。また「パンのソムリエ」も誕生しましたが、それも仕事の内容が限局されていて、店での活躍の場面は小さく残念でした。
ここで言いたい役割とは、もっともっと大きな役目であって、パン屋全体をコーディーネートする存在なんですよ。アシスタントでもあり〜マネージャーでもあり〜パン職人の女房役=マダム?って表現にまたなってしまうんですけどね。
私は、それが店主の妻であり嫁である必要は全く無いと思っていて、逆に奥さんが何にも出来ないくせにオーナー夫人と言うだけで、偉そうな顔をするって言うのも嫌でね(笑)「奥さん」て呼ばれるのが1番嫌いでした。今までどんなに取材の申し込みがあっても「奥さんも一緒に写真に出て下さい〜」っと言われても拒み続けて来ましたのは、そんなポリシーからでした。それに店長の取材に何で私だけが並ばなきゃいけないのって思いましたしね。出る必要がある時は、スタッフ全員と並ぶって思っていたぐらいです。
じゃ〜今回のTVは何だったのよ?って思われるでしょうか。
本当の話を暴露しちゃいますと、私だってTVを観て「なんだよ〜」って叫んだんです。本当にね。ぎゃはは〜こんなに登場する予定で無かったし、「出たくない出すなって」希望していました。
しかしZOPFを密着して、ZOPFのありのままの姿を表現する時に、私と言う存在が不可欠だったからとプロデューサーの方は強く言いました。放映の直前も電話を下さって強く訴えて下さいました。結局それは「妻」としか(分り易くないので)表現されませんでしたが、くしくもTVの中で店長も言ってくれていた「完全に仕事のパートナー」と言う部分を取り上げてくれていたので、私は納得する事が出来ました。
私は今回の取材にあたって、記者さんにパン屋の「嫁」とか「妻」ってくくりでこの話をするのはまずやめましょうっと持ちかけました。私はけなげな妻では無いですし、彼を愛しているからだけでパン屋をやっている訳ではないからですからと(爆)。そして「マダム」って言葉以外に適当な言葉が結局今は見つからないのですが、パン屋に必要な「パン職人」と同じような役割として、「マダム」って存在を作りましょうと言いました。
私が長い間とても重要視して来た役割でした。
それが今やっと、顔を出してもいい時が来たのかな?っと思います。
10年かかったね。
でも偉そうに苦労話しを聞かせるだけでなく、元気なパン屋を作る為に必要な色々とか、パン屋が悩みがちな問題とかに、役立つ事があるなら、ただ単にその経験を表に出そうと思います。
それも役目だと思えるようになったからです。
さらに、私がブスだったからと同じぐらい、私が表立つのが嫌いだった理由をもう1つ添えたいと思います。また長くなるけれど(笑)。
それは誤解が生まれるのが、いままで嫌だったんですよね。
もう2〜3年前のブログにも書いた事があるのですが、「ZOPFが元気な理由は何だ?」と議論されると時折「あ〜あそこは奥さんがうるさいからね」って言われる事が時々ありました。(それが心外とか言うんじゃないんですよ=まーそう言う感じもなきにしもあらずだけど=甘んじて受けるとして〜)笑
ほらさ、店が繁盛しないのを「場所(立地)が悪いから」とか「いいスタッフが居ないから」とか理由をつける店主って居るじゃないですか? 私はね それがすごーーく嫌だったの。
例えば「うちの店が儲からないのは、お前がダメだからだ★。出来る奥さんだったら良かったのにな〜」なんて言われたら、同じパン屋の嫁として嫌じゃないですか?
私はあくまでも彼と言うパン職人が居てこその存在で、彼が居なければ無かったと思うし、きっとZOPF店長なら、私が居なくても別の誰かをそう言う存在にしていたと思えるのです。
諦める理由のひとつに使われたくなかった。それが大きいです。
そしてZOPFが元気な理由を、短絡的に「嫁が良かった」などと言う事で済まされたくもなかった。そんな簡単な事ではないからです。
ZOPF店長と言う存在を本心尊敬しているからこそ、そこを微塵も誤解されたくなかった。
彼と言う存在があってこそのZOPFだと言う事をね、誤解されたく無かったんですよね。だから顔を出すのは嫌だったんですよ。
でも名実共に彼は有名??になりました(笑)。おかげさまでZOPFも元気です。
であるなら、これからは私の役目でもある「マダム」業について、すすんで話して行こうと思えるようになったのです。
これからちょっと頑張ってみようと思ったりしています(笑)。