忘れられない思い出はいくつかあります。
嬉しかった事
悲しかった事
苦しかった事
思いっきり〜失敗をしちゃって思い出しても顔が赤くなるような恥ずかしかった事なんてのも、1つや2つ。。。
いや 10も20もあったりします。
看護学生の時に、先輩の看護学生に付いて患者さんに看護をするという実習がありました。
初歩も初歩で、挨拶をして体温や血圧を測って来るだけの、ほんの数分の始めての実習でした。
散々友達同士で練習を重ねていたので、期待で揚々とこの日を待ちわびていたのでした。
ところが受け持ち患者さんが発表になり、一緒に実習をしてくれる先輩の名前が発表になった時、全員の顔つきが変わりました。
患者さんは練習を重ねた友人達とはまるっきり違う、そう病人なんですよね。様々な病気を抱え、中には長く闘病生活を続けている方も、さらにもう完治しないと診断を受けているような方もいらっしゃいました。実在する名前と病名を前にして、やっとそれを実感したのでした。
その上「あの先輩恐いのよね。。。」と心配し始める友人も居ました。
そして友人達の中には、意を決してそれぞれの先輩にご挨拶に行く準備をしている者もいました。私は幸いにもあまり恐いと噂のある先輩ではありませんでしたし同じ寮生でしたので、いつかどこかですれ違うだろうぐらいに気軽に思ってしまったのでした。
その日の昼休み廊下で歯磨きをしていると、さっそく洗面の鏡越し先輩の姿が、「あ!先輩ー」思わず声をかけてしまいました。
先輩は黙って立ち止まってくれました。でも、私の挨拶が一通り終わるやいなや、いつも穏やかな先輩は豹変し激しく怒られてしまったのです。それはもう凄い勢いでした。
でも当然です、私は片手に歯ブラシを持っているんですから。。
実習は、それはそれは最悪でした。
完璧にマスターしていたはずの血圧の測定は、宙を舞い測ることが出来ませんでした。見かねた先輩が代わってくれる事にまでなってしまいました。でも先輩は私を怒ったりせず、とてもにこやかに代わってくれましたし、技術の未熟な部分を丁寧に教えてもくれました。何より練習台にされている患者さんに嫌な顔1つさせずに、見事にその場をやり抜いてもらえたのにどれほど感謝したかしれませんでした。
実習から戻った友人達もまた同様でした。未熟な自分たちを思いしり、それだけ甘くない世界に踏み込んだのを知った第1歩として、脳裏に焼き付いたのでした。
昨日は、遅刻しそうになったスタッフが車で出勤してしまい、それをお客様用の駐車場に停めて黙っていたので、店長にみつかりこっぴどく怒られた一幕がありました。
その姿を見ていて、どうしたものやらと思う反面、自分の若かった頃と同じだな〜と思って、なんだか微笑ましい気分にもなっていました。
色んな経験が、人を育てるんですね。
スタッフは反省文を作文させられていました。笑
今朝はその反省文を真っ赤に添削して戻しました。
そのスタッフの脳裏に刻み込まれたかそれは解りませんが、いつの日か思い出してもらえたらと思いました。