
厨房に入ると、先に来ていたスタッフの様子が変。元気がまるっきりない。
そろそろ疲れがたまって来たのか?
覗き込めば今日から参加のバイトちゃんもいるのに、話のひとつもない。
「どうかしたー?」とわざとアッケラカンと聞いてみると「朝はこんな感じです」と素っ気ない返事。。。それだけ。
これがジェネレーションギャップなのか?(ーー;)理解に苦しんだ。
私が成り立ての看護婦の頃は、婦長だの先輩だののご機嫌を見て、昨日は失敗がなかったか?何か職場に問題を起こしてないか?をまずは嗅ぎ取ったものだ(笑)、大丈夫そうなら〜じゃあ新人の自分に何ができるのかといえば、せいぜいその場を明るくするぐらいで、誰よりもでかい声で挨拶をしまくって〜元気に振舞ったものだった。まあ今思い起こすとカラ元気ってやつだけど、すると「いつもあなたは元気よねー」なんて言ってもらって先輩に話しかけてもらえたりして、やっと息ができた気さえしたものだけど。
時代が違うのか。
気を取り直し、必要以上に明るくブースに行っても見たら、案の定 こちらのチームもどんより。
「このままじゃ〜失敗する」そん空気が漂い始めた。
緊張感が早くも途切れている。
その途端、高島屋さんからクレームが入る。
何とも痛い失敗をしてしまった。
私も撃沈。
もう機能停止に陥ってしまいそう。絶体絶命か。。。
頭の中はもうグルグル。
けれども目の前には山積みのパン、そして うんともすんとも言わないスタッフが、失敗を告げても顔色一つ変えずどこ吹く風なのか??
再起不能に陥りそうな雰囲気を食い止めんと、今自分は何をしたらいいのか必死で考えていた。
ともかく、あと1時間で迎える開店にむけて、店を整えるしかない。それは「いつだって店は開ける」店長の教えだから。
今日はあえて私はブースに入らず、厨房のみに留まった。
スタッフはその変化に驚いていたに違いない。
頼りないスタッフでも任せなければ、やっぱり責任感は生まれないから。
1人でやってみる。考えてみる。
実際に困って見るまでわからないのだから。。。
しかし、失敗には取り返しのつく失敗と次がない失敗もある。その差さえ関心がないのでは、話にならない茶番だ。
言いようのない虚しさを感じていた。
ここで私は彼らを切り捨ててしまえば楽だ。
そうしたらきっと彼らは、自分が犯したことの重大さにも気がつかず安堵んなままいられる訳だ。そして自分を理解することもないまま終わるのだろう。
くしくも高島屋さんに「指導者というのは生まれながらなんでしょうかね?」
そんな問いかけを受けた。
こんな大きなクレームのあとで、決してZopfの指導を褒めての言葉ではないだろう、逆に指導不足を問うての問いがけなのかもしれないと、その問いよりも、その真意が気になったが、私には、その答えは見えていた。
明日変われる者と変わらないの者との違いだと。
指導者は常にリスクを背負うもの。
私は今日は眠れないだろう。